9/11(日)  晴れ      8番 熊谷寺 → 11番 藤井寺

6:00 野宿なもんで、朝の光で起きた気がします。

ここで、一緒に寝た学生君が夏休みの期限の都合もありまして、これから先、かなりのハイペースで進まねばならず、

今日中に12番のお寺まで行きたいとの事で、彼は早めに出発。 サヨナラです。 オイラもテントをたたんで出発。
7:10〜
7:30
8番熊谷寺

ここで昨日、「公園で野宿します。」と言ってた青年に会いました。

話してみると、「野宿慣れしてるアウトドア派っぽい奴だ!」というのはこっちの勝手なイメージで、

実はこういうのは初めてだそうで、野宿ももちろん初めてな福島県出身の18歳。 もんのすごくなまってました。


「いやぁ〜 昨日は全然眠れませんでした。。」と言ってて、どうやら、


・テントを張る練習をしてこなかったら分からなくて張れなかった。

・そのため土管の中で寝た。

・その土管はテニスコートのすぐ近くだったが、夜中までテニスをしてる家族がいて眠れなかった。

・さらによくわからない小動物がウロウロしてて恐くて眠れなかった。

・また、洗濯物を干してたら、「こんなとこに洗濯物ほしとる奴がおるで〜」と子供に言われて干せなかった。


と、かなり悲惨な様子で、「もう野宿やめます。。」と、早くもテントを送り返そうとしてました。 

出発。
今日は一人でてくてく歩きます。 かなりのどかな風景を歩きました。



田んぼの中で犬が追いかけっこをしてました。 こんな風景はじめてです。
8:20〜
9:00
9番法輪寺

お寺の門をくぐると、スケッチで絵はがきを書いてる人がいました。 スルー。


そしてここでも福島の青年に会いましたが、このコのなまりがものすごく福井県人っぽいんですよ。 

さらに、元芸人のバズーカルームの中屋にそっくりなんです。 しゃべりも顔も。 

だもんで、僕の中ではあだ名が福井君になりました。 


また、ここのお寺にいた誰かから、明日の情報をゲット。 

11番→12番は山道ルートなのですが、政治家の管直人は9時間20分かかったそうです。 おそろしい道だよこのやろう。


お参りもすんだところでベンチで一休みしていたのですが、2日目にして肩がものすごく痛いんですよ。

しょい慣れない重いリュックのせいなのですが、尋常じゃない痛さなのです。

そこで取り出したのがアンメルシンヨコヨコみたいな塗り薬。 たまたま家にあったので親が持たせてくれたのです。


さっそくそいつを肩に塗ったところ、「ぐああああああああああああああああああ!!!!」という激痛がはしりました。 

どうやら皮膚が少しむけてたようで、そんなとこにこんなもん塗ったもんですから地獄ですよ。

必死で濡れタオルでふいたりして、しばらくのたうちまわってました。


落ち着いてから肩をもんでいると、「どうした??」とおじいちゃんが声をかけてくれました。

肩が痛くてたまらないんですよ〜。と話すと、なんとリュックの正しいしょい方を丁寧に教えてくれたのです。

いかに今まできちんとしてないしょい方をしてきたかが分かりました。


そして、 「あぁ。 人はやっぱり一人では生きていけないんだな。」


と、このとき思いました。


出発しようとすると、ちょうど若そうな女の子2人組みがやってきました。 絵はがき描きさんにくいついてます。

「おいちゃん なに書いてるン??」

「わぁ〜 絵はがきやん。 売ってるン??」

と、すっげぇ元気で関西のノリっ娘です。

ジャージだし荷物も少ないし、車遍路さんかな?と思いつつ出発。 
しょい方を教えてもらったおかげでリュックが少し軽くなった気がします。

でもすぐに重くなるから不思議。
11:00〜
12:00
10番切幡寺

ここのお寺は、お寺に着くまでにすごい急で長い坂道をのぼらなくてはいかんのです。

で、登りきった! お寺はどこだ!? と思ったら、今度は333段の石段のお待ちかね寺。 ふぅ。

ハァハァ言いながら階段を登ってると、さっきの関西ジャージ娘2人組がルンルン降りてきました。 はえーよ。

到着後はしばらくグターってして、69歳のおじいちゃんとしゃべってました。
続いて11番までが約10キロ。

さっきの69歳のおじいちゃんと歩くことになりました。

僕がかなり歩くのが遅いので、おじいちゃんとだとちょうどいいんですよね。


2人でヨロヨロと、次々と若者に抜かされながら歩いてました。


そしてどっかの橋を渡っていたら、後からワゴン車がやってきて、僕の横を通り過ぎたのですが、

その時たまたま運転手さんを見たら、昨日の健康ランドでしゃべった糖尿病のおじさんでした。

「お〜!!」 って感じで再会。

「明日の山道はどうするんですか?」 と尋ねると、

「山道は無理そうだから車用の道を歩くよ〜」と言ってました。


で、気が付けば今日まだなにも食べてなかったのです。

さすがに頭がフラフラしてきたっぽいのでヤバイと思い、カロリーメイトを食べた気がします。
15:00 11番藤井寺

雨も降り出して、着く頃には身も心もボロボロでした。

で、そろそろ今日の野宿ポイントを決めねばならんのですが、「かもの湯」というトコがオススメらしいのです。

リュックのしょい方を教えてくれた人も、「かもの湯に泊まりなさい。」っていってたし、

他にも何人かに行け行け言われました。 が、こっから2キロ。


さらに、オイラは夕飯も仕入れなければならず、一番近いスーパーが、そっからさらに1キロ。

「うわぁ。 合計3キロだ。。  歩くのめんどくせえなぁ。。 しかもまた明日戻ってこなきゃいけないし。。」

と、心の中でぐちっていると、おじいちゃんが電話でタクシーを呼び始めました。

どうやら今日泊まるビジネスホテルまでタクるみたいです。

しかも、オイラに「途中まで乗ってけ。」と言ってくれるのです。

そこでホテルの場所を地図で調べてみると、なんとスーパーの隣じゃないですか!!

結局スーパーまで乗っけってってもらっちゃいました。 ありがとうございます。

そしてスーパーで降ろしてもらい、「明日一緒に山越えをしよう!」ってなって、6時に11番のお寺集合となりました。

残された問題はスーパーです。 このお遍路さんの格好でスーパーに入らねばなりません。


まだお遍路さん2日目の僕は、まだこの格好に照れがあるわけですが、脱いで入るもアレなので意を決して突入。

そしたらこんな格好してるもんだから、周りの奥様に 「頑張ってね。 ハイ、このお惣菜あげる♪」

なんて事があるかと思いきやなんもなし。 普通に買い物する人でした。 ものすごく汗臭いけど。

明日の山越えにそなえて、バナナとかカロリーメイトとかペットボトル3本購入。


ただ本当はスーパーの近くにマクドナルドがあったので、しょっぱいもん食べたいし、カロリーありそうだから食べたかったのですが、

お店の近くまで行ったところで、店内の日曜の夕方のアットホームな雰囲気に、

「この格好では入れん。。」と、負けて入れませんでした。


ちょっと悲しみながらかもの湯を目指しますが、「ここから500メートル」という看板が出てからの500メートルが、

今回の四国の旅の中で一番長く感じた距離でした。 疲労困憊の時の500メートルはものすごく長い。


200メートルくらい進んだところで、自転車に乗ったさわやか風若者お遍路さんに抜かされましたが、

追い抜かれる時、「こんにちわ〜」って言ってくれたのでちょっとうれしかった27歳。


そしていざかもの湯に着いてみると、小さな町営(?)の銭湯でした。

要約すると、

・ 入浴用の券売機に、「大人」 「子供」 「回数券」 ・・・とある中に、「歩き遍路」 ってのがあって安く入れる。

・ 洗濯機と乾燥機も格安で使わしてくれる。

・ さらに、遍路さん用の小屋(3畳くらい)が駐車場にあって、空いてれば泊まっていい。

という素晴らしいところなのです。


お遍路を1週して、最後にここに戻ってくる人もいるそうで、そんな交流の場になっているところなのですが、

多い時は10人くらい来て、3畳の小屋に6人、他の小屋に数人、自転車置き場に1人、あとは駐車場にテント。って日もあるそうです。


この日はオイラと、さっきすれ違った自転車少年19歳と、また会った18歳福島君の3人。

4時頃に着いたので、さっさとお風呂にはいってゆっくりしようかと思っていたら、近所のおじさんがやってきて、

いろいろとお話をしてくださいました。


明日の山は気をつけろ。 マムシがすごいいるぞ。 という話を延々され、

正直、「明日死ぬかもしれないなぁ。」と思ったりもしました。

「それはそれで、お大師様がそう決めたんだから、噛まれたらジタバタせずにゆっくり死になさい。」

というお言葉をいただき、 「なるほどなぁ。 死というのは近くにあるものなのだ。」と思ったり。


その人はけっこういろんな話をしてくれたんですよ。 野宿のポイントを教えてくれたりとか、

「常に甘いものは持っとけ。 特に山は。 おじさんはこうやっていつもどら焼もってるねん。」 と、どら焼みせてくれたり。


そして最後のほうになって、「プロの遍路に気をつけろ。」というテーマになりました。


プロの遍路とは、乞食遍路ともいいまして、新人遍路にたかってお金をせびったりとか、仲良くなって安心させといて荷物を盗んだりとか、

そういうニセ遍路のことです。

30分くらい話をしてくれたでしょうか。

とにかく、「いろいろ話をしたあとにお金をくれってやつには気をつけろ!」

と、結論がでたところで、「ありがとうございました。 さぁ。 お風呂に入ろうか。」

としてたら、そのおじさんが、「じゃあこのどら焼き買ってって。」と言い出しました。

全員、口には出しませんでしたが、「えええ??????? あんたがプロだったんかい!!!!!」

という空気になりました。

「明日の山に甘いものもってかんと。 おじさん親切やろ。」

なんて分かりやすい展開でしょうか。

確実に断れる雰囲気でもなかったので、まぁ100円だしいいか。。と思ってると、

「あんたはこのキンツバとセットで250円でええよ。」 

えーーーー!! キンツバいらねぇーー!!!


かなりテンション下がりましたが、まぁ買いましたさ。


その後、お風呂はいって、洗濯して、さっきのスーパーがそろそろ半額タイムになるって聞いて夕飯買いにいき、

3人で豪勢に惣菜パーティして、乾燥機から洗濯物取り出したら、オイラのパンツがなくなってました。


2枚しかもってきていない予備の1つがなくなったのはかなりの痛手でしたが、

「お大師様がはいていっていかれたのだ。」と自分に言い聞かせ寝ました。


そしてお寺を11コまわりおわったところで、 「納め札には願い事を書いて箱に入れる。」という重大なことを知りました。

約18キロ


ペプシ 150円
CCレモン 150円
お風呂代 360円
洗濯機代 200円
夕飯 1000円
明日の飲み物&バナナ 460円


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